粉瘤(アテローム)とは
「脂肪のかたまり?」
アテローム(粉瘤)とは、皮膚の下に袋状の構造物ができる良性の皮膚腫瘍で、その内容に角質と皮脂を含みます。本来皮膚から剥がれ落ちる角質と皮脂が落ちずに復路の中にたまってしまってできた良性腫瘍です。
一般的に「しぼうのかたまり」と誤解されていることがありますが、実際は脂肪の塊ではありません。
良性の腫瘍ですが、ときに化膿して真っ赤に腫れ上がったりすることがあるので、放置しているとひどく化膿して手術も行えないということがあります。
したがって、アテロームがあるのに気づいた場合には、腫れる前に適切な手術をうけ、摘出されるのが理想的です。
ただ、必ず腫れるというわけではないので、経過をみることもありますが、実際に腫れてきた場合には、急きょ手術を行うということができず、切開排膿といって、応急処置として膿を出すだけの処置になりますので、早めの処置が望ましいでしょう。
以下に、日本皮膚科学会の、アテロームに関するわかりやすいQ&Aがありますので、ご参照ください。
日本皮膚科学会ホームページへ (ここから、Q&Aをご参照ください)
アテロームの特徴は、中央の皮膚開口部より最近が侵入して化膿することがあるということで、これを炎症性粉瘤とよびます。患部は紅くはれ上がり、今身を伴います。軽い炎症なら抗生剤を内服すれば炎症は治まりますが、ひどく化膿すると皮下の袋状の構造物は破壊され膿がたまった状態となり、抗生剤を内服しただけでは効果がなく、表面を切開して膿を出した方がよいこともあります。
粉瘤の治療の流れ
step1) 受診と診断
粉瘤の場合、視診、問診によってほぼ診断が可能です。
step2) 手術の予約
感染をおこして腫れていない場合は手術の日程を相談いたします。
現状、手術枠の確保が難しく、総合病院の形成外科ご紹介になることもありますので、
かならずしも当院で対応できない場合がありますのでご了承ください。
すでに感染して膿がある時は切開排膿処置を行います。
step3) 手術当日
手術は30分程度で終了します。日帰り手術で、局所麻酔で行います。
シャワーなどは翌日から可能です。
step4) 抜糸
再度来院していただき、抜糸を行います。顔で5日間ほど、体幹部で1週間ほどです。テープ固定をして終了。入浴なども可能になります。
*手術に関しまして:
アテロームや・脂肪腫等の手術の実施日は平日の昼間のみとなっております。また、近隣総合病院の形成外科へのご紹介となることもありますので、ご了承の上、ご来院下さい。