Nコグ詳細 素朴な疑問を解決
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コグ治療の素朴な疑問
Nコグ治療でご質問をいただいたので、患者様の疑問にお応えすべく、やや細かい話をしたいと思います。
通常Nコグや、同様の吸収糸によるスレッドリフト(糸によるたるみ治療)の場合、一度に12本以上などある程度の本数を入れ、本数が多ければ多いほど結果もよい結果がでやすいと考えられていますが、当院の患者様のリクエストは「あまり痛くない範囲で・・・」とのことで限られた本数で治療を開始するというかなり保守的な患者様が多いのですが、それでも糸によるたるみ治療をしてみよう、というだけでやはり一大決心だと思います。そこで湧き出る素朴な疑問・・・
1)溶ける糸をいれて何の意味があるのか・・・
手術用の吸収糸を挿入することで、真皮層への刺激から、コラーゲンやエラスチンが増生します。糸を異物として認識し、吸収分解されるとともに、そのまわりには次第にコラーゲンが生成されるのです。コラーゲンは施術後2ヶ月すると生成のピークに達するといわれており、3か月目から半年にかけて、手術の効果がじっくり出てきます。そして効果は1~2年持続すると考えられています。ですので、糸は半年以内にはなくなってしまいますが、糸を入れた方向への引き締めが図られるわけです。イメージ的には、糸は消えちゃったけど、代わりに自分のコラーゲンのチェーンができて、中から引き上げている様子を想像してみてください。
2)糸をさしこむのは、どっからどうやって入れるの?出口は?
糸の挿入部位は、通常は持ち上げたい方向のベクトルが集約されるのは、大体こめかみ方向や耳の前。このあたりで、太い静脈がある部位を避けて、Nコグを挿入していきます。挿入するのは長い注射針のようなもので、カニューレと言いますカニューレは先が針ではなく、まるまっています。細いストローのようなイメージです。そこに、糸があらかじめ装着されていて、その先に折り返しがあるので、皮下に刺入して静かに枠だけを抜いてくると、糸だけが取り残されて皮下に留置されます。(右下の写真上がNコグ、下はデュアルリフトというコグ(=きれこみ)のない糸です)
入口(刺入部)は最初に注射針であけるのですが、献血時に使用される採血針と同様の太さの針を刺すだけなので、すぐに出血もとまり、翌朝にはほとんどわからなくなっています。刺入した糸はカニューレを引き抜いた時に皮下に留置され皮下で引っかかっているだけなので、出口の針穴はありません。3Dリフトなどでは法令線周りなど、針穴が顔の中心部の引き上げたい部分に出てきてしまうので、人目がきになるところですが、Nコグの場合は、これが全くありません。
3)どうして本数が必要なのか?
これも1と同じ理由です。糸の代わりにコラーゲンのチェーンができて引き上げるイメージ、1本1本では非力ですが、多数あれば・・・ということです。ただコラーゲン生成が活性化されるのか、いれた部位だけではなく周囲の皮膚の質感もなぜかよい、というご意見がかなりあります。
コグ治療の原理
ただ、このエヌコグの原理、効果を考えれば、本数をやみくもに入れなくても、部分的に気になる部分がある方には限られた本数で部分治療するのも患者様に非常に喜ばれています。高周波治療やヒアルロン酸など他の治療で大体は満足しているけど、どうしてもやっかいな頬の外側のたるみや、頬の脂肪が多く法令線が重たい感じが嫌だ、など局所的に気になる場合、そこに向かって直接刺入するので、特定の部位への解決策としては、高周波や注入系よりもダイレクトに効き、自他ともに効果がわかりやすいです。ある程度アンチエイジング治療をされている方または軽度老化のサインであれば、あともう一歩、というところに、非常にかゆいところに手が届く感じです。また若い方でも元来「頬がもたついて」「丸顔で」「ホウレイ線が昔から気になるし」という方に、コンプレックスを解消すべくピンポイントで数本使用するのも可能です。